今現在、カルチャーセンターや習い事教室業界の景気はどうなっているんだろう?コロナ禍を迎えた今、カルチャーセンター業界は今後どうなっていくのでしょうか。
本記事では、カルチャーセンター・習い事教室業界の景気についてデータに基づいて解説していきます!
カルチャーセンター・習い事教室業界の景気は?
カルチャーセンターは景気がいいの?それとも悪いの?
日本生産性本部が発行している「レジャー白書2021」によると、 2020年の学習レジャーサービス市場の市場規模は全分野で減少しています。市場規模で大きいものから言うと、
となっています。
市場規模自体は大きなものですが、各分野において大きく減少をしていることが分かります。
大手カルチャーセンターも売上高が4割程度減少!
続いて、日本経済新聞社がまとめた「サービス業調査」(2020年8月~2021年7月までのデータ)からカルチャーセンター主要6社の売上高について見ていきましょう。
売上高 ランキング | カルチャーセンター名 | 売上高 | 前年比 |
---|---|---|---|
1位 | カルチャーセンター (株式会社カルチャー) | 40億9,300万円 | 38.5%減 |
2位 | NHK文化センター (NHKカルチャー) | 32億5,900万円 | 46.1%減 |
3位 | セブンカルチャーネットワーク | 20億2,400万円 | 41.3%減 |
4位 | 朝日カルチャーセンター | 19億5,600万円 | 37.5%減 |
5位 | JEUGIAカルチャーセンター (株式会社十字屋) | 17億7,000万円 | 33.2%減 |
6位 | よみうりカルチャー (読売・日本テレビ文化センター) | 16億9,400万円 | 42.0%減 |
主要6社とも10億以上の売上高を記録している大手ではありますが、
これに対する対策として、講座やセミナーのオンライン化へと踏み出したものの、減少に歯止めをかけられていない状況です。
カルチャーセンター・習い事教室業界はとても厳しい状況を強いられていると言えるでしょう。
カルチャーセンター・習い事教室業界の倒産はひどい?
こんなに景気が悪いと、…もしかして倒産件数増えてたりする?
ここまで、カルチャーセンター・習い事教室業界の市場規模・売上高が大幅に縮小していることを見てきました。こうなると気になってくるのが、業界での倒産状況です。
件数としては少なく感じますが、2001年度以降の20年間で年度最多を記録した2019年度とほぼ同数です。やはりコロナの影響も大きく、2018年が41件、2019年に43件、2020年に41件と3年連続で40件超えを記録しました。
この調査は、残り1ヶ月を残して集計しているため、おそらく2020年度は2019年度を超えたのではないかと推定されます。(※データ未発表)
また、倒産理由として一番多かったのが「販売不振」(37件)でした。前年同期比15.6%増で、全倒産に占める割合は90.2%に及びます。
カルチャーセンター・習い事教室の業種別倒産状況
カルチャーセンター・習い事教室の倒産件数が多くなっていることはわかりましたが、業種別ではどうなっているのでしょうか。
業種 | 増加率 | 倒産件数推移 |
---|---|---|
スポーツ・健康教授業 (パーソナルジムなど) | 133.3%増 | 6→14件 (年度最多) |
音楽教授業 | 75.0%増 | 4→7件 (年度最多) |
書道教授業 | - | 0→2件 |
女性に人気のあるフィットネスなどの「スポーツ・健康教授業」や、習い事でトップクラスの人気を誇る「音楽教授業」での倒産件数の多さが目立ち、ともに倒産件数が1位・2位を記録してしまいました。
業種 | 減少率 | 倒産件数推移 |
---|---|---|
外国語会話教授業 | 72.7%減 | 11→3件 |
その他の教養・ 技能教授業 | 25.0%減 | 20→15件 |
一方で、倒産件数が減少した業種も存在しました。英会話などの「外国語会話教授業」や、「その他の教養・技能教授業」では倒産件数が減少しています。
英会話を中心に外国語の人気が分かるデータでしょう。しかし、「その他の教養・技能教授業」に関してはいまだ15件倒産しており、倒産件数が増加した「スポーツ・健康教授業」よりも1件多い倒産件数になっています。
カルチャーセンター・習い事教室業界全体の不況は変わりません。
カルチャーセンター・習い事教室業界は不況!しかし、英会話は絶好調
いかがだったでしょうか。
カルチャーセンター・習い事教室業界はコロナの影響をもろに受けた業界で、この2~3年間とても景気が悪いということが分かりました。
業種別でも同様で、ほぼすべての業種が不景気ですが、英会話などの「外国語会話教授業」のみ倒産件数が大幅に減少しています。最近の英会話レッスンの人気ぶりを見ると、これもうなずける結果ですね。
カルチャーセンター・習い事教室業界は不景気であるとは言えますが、オンライン講座などができるようなシステムは徐々に整えられてきています。そのようなシステムを使って、この不景気を乗り切れることを祈ります。